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COPD(慢性閉塞性肺疾患)に挑む
またまた今回も簡単ではありますが、今現在挑んでいる症例について書いてみようと思います。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)と診断され、ハードな運動や仕事の動作で息切れがある50代の男性。
検査で肺年齢は実年齢よりもはるか上の90代と診断されています。
今のところ日常生活には問題なく過ごせていますが、進行をできる限り抑えたい。好きな運動がもっとできるようにと
遠方&仕事で忙しい中、毎週ではありませんが時間をみつけては通ってくださっています。
COPDは慢性気管支炎や肺気腫の総称で、たばこの煙や大気汚染など有害な物質を長期間吸入することで肺に炎症を起こす病気です。
症状としては咳や痰、喘息症状や労作時呼吸苦があり、進行するとわずかな動作や安静時でも呼吸苦が起こります。
初診でお話を詳しく聞き、体表観察(からだの状態・ツボなどをみる)をして、
からだの上部に強い熱があること、東洋医学の臓腑でいう肺・肝・腎に特に問題があり、また瘀血(おけつ・滞った血)の存在があるとみました。
初回は肺を補い、潤わせるよう背中に1本鍼をしたところ、
もともとアレルギー症状があり鼻詰まり、鼻水がありましたが(問診中も鼻ズルズルされて苦しそうでした)
鼻通りがよくなり、鼻水も減り、ランニングのタイムが伸びたとご報告いただきました。
鼻は肺の臓の入り口であるため、肺を補うことでこれらの症状が改善したとみています。
その後数回治療をつづけていますが、主訴の息切れは不変です。
しかし毎年、特に春・秋はアレルギーの薬を飲んでも酷かった症状が、現在は随分楽になり、アレルギーの薬なしで過ごされていて、肺だけでなく全身のツボの状態も変化してきました。
COPDは治療によっても壊れた肺(気管支・肺胞)は元に戻ることはないと言われています。
しかし時間もかかると思いますが、治療を続けていくとで進行を遅らせたり、QOL(生活の質)を向上させられると信じています。
日々変わるツボの状態のや体の変化を捉え、そのつど適切な処置ができるように努め、
この方がもっと好きな運動ができるように、笑顔が見られるようこれからも挑んでいきたいと思います。