日記・症例解説

2026-01-21 13:30:00

パニック症

 

先日、所属している鍼灸学術団体で勉強会があり、パニック症(パニック障害)について講義を受けてきました。

東洋医学では奔豚気(ほんとんき)という不快感や痛みが下腹部に起こり続いて心・胸・咽喉にまで達し、胸の上で子豚が走り回るような症状・動悸や頭痛、めまいや胸の苦しさなどが起こる弁病(病名)があり、現代でいうパニック症(パニック障害)に類似しています。

 

今回、同じ鍼灸団体の方が実際に行った症例は、過去につらい経験があり緊張しやすい性格の方が、ストレスや疲労、飲食不節や運動不足が加わったのち頭痛や動悸が始まり、更に精神的な疲労が強くなった頃に人ごみや仕事中に不安感や動悸・胸苦や吐き気などパニック症を発症した例でした。

もともと緊張しやすく気が鬱滞しやすい状態のところにストレスや疲労・生活習慣でより気が鬱滞してこの籠った気が熱化。熱は上にある心の臓を襲い不安感や動悸、胸苦が出現したと考えられます。心の臓を営養する心血が不足していると判断し、補う鍼を続けたところ症状が緩解された例でした。

その後はツボの状態などをみて心血を補ったり鬱滞した気・熱を散らしたりする鍼をされているそうです。

 

パニック症は以前勤めていた鍼灸院で最も多い症状でした。個人差はありますが週に2回の施術を3カ月ほど続けられるとパニック症状はかなり治まっていました。

ただ完全に取りきるには時間がかかり、残った症状は焦らず時間をかけて根気よく治していくという印象です。

 

勤務を始めて間もないころ、初めて私が問診担当させていただいた患者さんがいます。

この方はパニック症と診断はされていませんでしたが、人混みが辛い、買い物や銀行のATMの列に並べないという症状に加え、身体的な症状も沢山お持ちの方でした。

初めて初診予約の問い合わせ電話を私が取ったとき、そもそも一時間の問診に耐えられるかわからない、使っている枕はどんなものか、女性スタッフに担当してもらえないか等々、初めてのこと、分からないことにとても不安を感じているようでした。

しかし後日勇気を出して初診に来てくださり、お話を聞かせていただき一生懸命週2回鍼灸を数カ月続けられ、みるみる変わっていきました。

施術後は自宅へ直帰していたのが「ちょっと帰りにここ寄ってみようかな・・・」と気になるお店に寄るようになり、列にも並べるようになったと仰っていました。

なにより「まだ○○の症状は少しあるけど以前より良くなっている。○○と○○はできるようになった!」等、ご自身に起こる少しの変化に気付き、喜び、常にポジティブなことを仰っていました。

施術は院長が行い、私は問診や他のサポートでしたが、どんどん変わっていく姿をみてとても嬉しかったです。

退職して一年以上経ちましたが、この方が更に元気になっていればいいなと思うのと同時に、私も今どこかで辛い思いをされている方のサポートができたらと思います。