日記・症例解説
姉ちゃんのやっとることは伝わりにくいなぁ
先日、県外に住む弟が一日だけ徳島に帰ってきていました。
弟は昨年11月の末、仕事中に左手第二と三指~手の甲を強く打ち付け負傷しました。
怪我をしてから時間も経ち、マッサージや整体を何度も受けて痛みは半分(NRS5)になり
日常生活に支障はなくなったけれど、ふと体重がかかったりしたときにまだ左手の第二・三指から手の甲、肘にかけて痛みがでるからと鍼を受けに来ました。
痛む部位、痛みはどう走るか、痛みの種類など負傷した左手についてと、
その他にある症状を確認し(眼精疲労・不眠など)体の状態や全身のツボを確認した結果、頭の左側に鍼を一本しました。
施術を終えるころ、弟から「ここにも鍼打ってくれん?」と左手を出されました。
左手に対して施術してもらっていないと感じたそうです。
左手を含め全体をみての処置になっていることを伝え、様子をみてもらいました。
後日、左手の痛みはどうか聞くと痛みは軽減し(NRS1)、眼精疲労は残っていますが数日よく眠れて体の調子はよかったそうです。
痛む箇所・局所に鍼をしてくれないと、「訴えを無視されている」「ほんとうにこれで大丈夫なのか」と心配・不信感が湧いてくると思います。
決して訴えを無視して頭に鍼をした訳ではなく、主訴・その他愁訴、元々の体質も考慮し、顔や舌、皮膚などの色、脈、冷えや熱感・発汗と弛緩やツボの状態をみて決めています。
負傷した場合、どの経絡を痛めているのか、空間的にも前後上下左右どこに気の偏在があるか確認します。
(今回の弟のケースでは緊張感がかなり高い職場におり、日頃から気が高ぶってしまっている状態のところに、負傷で手の少陽三焦経という経絡に気の滞りが生じている、また左上に気の偏在があると判断しました。)
しかし家族とはいえ、私の説明不足だったなと反省しました。
昔、母にも足が痛いからという主訴に対してお腹に鍼をしたら「これは何の治療?」と聞かれたことを思い出しました。
主訴と全く違うところに鍼をされる、しかも1本だけとなると確かに不安ですね。
後日弟と話す機会があり、なんとなく姉のやっていることを感じ取ってくれていましたが
「姉ちゃんのやっとることは伝わりにくいなぁ」「これをどう伝えるかやな」と言われました^^;
ごもっともです・・・。「これがいいんだ!これが正しいんだ!」という思い込み、押し付けはいけません。
主訴に対して真剣に傾聴する姿勢はもちろん、なるべく専門用語を多用せず分かりやすい説明を心がけます。